今までピントが合っているように見えても、なんかスッキリしない写真という事も結構あったのだが、それは背景の余計な物をボカしてしまおうとなるべく絞りを開放に近くして撮影していたのが原因だった。
近い被写体を撮影する分には開放に近い絞りで問題ないのだが、大きく遠い被写体を撮影する場合はアングルを工夫するなどして、ボカそうとする事はせず、しっかりと絞って撮影するのがこのレンズには向いている。
そもそもが、このレンズの場合3mから先はほぼ無限遠になってしまうのだ。建造物みたいな大きな物を撮影しようとしたら手前の被写体がすでに3m以上離れていることも多いだろう。そうすると背景も含めてほぼすべての物がはっきりと写ってしまう。被写体が1~3m以内なら絞りのコントロールで背景のボケを考慮し、それ以上離れるようだったら背景に余計な物が入らないアングルを探すことを考えた方が良い。
レンズの特性を把握するには合焦距離がどうなっているかを最初に確認しておくべきだ。最短撮影距離はいくつなのかだけ気にしていたが、無限遠手前の距離はどの程度なのかも把握しておけば、被写体までの距離でどういう撮り方をするべきかが頭の中に浮かんでくる。
今日の一枚
水道橋が陸地部分と空との境界線の様になっていた。メインにしたいのは水道橋と空と陸地、つまり目で見た光景そのままに近い、すべてにピントが合っているかのような写真だ。
そのために絞りはかなり絞って11にしている。天気がいい状態での撮影なので絞りを11にしたところで、シャッタースピードは確保されているので手ブレの心配はまったくない。ただ風がかなり強い状態だったので、風で体、あるいはカメラが揺れてしまって手ブレを起こしてしまう可能性は否定できない。今回は肘をコンクリートの壁のようなところに乗せて安定させて撮影している。
写真の端に近い部分に建造物が入ると周辺歪みが多少気になる。しかし広角レンズほどでもないので現像ソフトにレンズごとの補正があるのならそれを適用するだけで済むだろう。
望遠レンズでもないかぎり、周辺はどうしても歪んでしまうのが光学レンズの宿命だ。トリミングで周辺部を外してしまうというのも一つの手だが、なるべく広い範囲を撮影したい時はトリミングは避けたいものだ。そんな時はレンズごとの補正パラメーターを適用できる現像ソフトがあると便利だ。周辺減光、周辺歪みを補正してくれる。
撮影データ
カメラ:EOS 1D X
レンズ:EF 50mm F1.4 USM
絞り:f/11
露出時間:1/800
露出補正:0
焦点距離:50mm
ISO:200