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キーボードのショートカットキーより効率がいい
もともとはゲーム用のコントローラーを画像加工のソフトでも使うというのが始まりだと思う。通称「左手デバイス」。今回紹介するのは「CLIP STUDIO TABMATE」という左手デバイスだ。
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名前が示すように、本来はペイントソフト「CLIP STUDIO」専用の周辺機器で、ペンタブレットを使いながら左手でよく使う機能を使えるようにするためのもの。
PC上ではゲームコントローラーやキーボードと同じ入力デバイスの扱いなので、ちょっと工夫をするとそれぞれのボタンに好みのキーを割り当てることができる。つまり左手デバイスのボタンにショートカットキーの組み合わせを割り当てることができるのだ。
TABMATEってどんなもの?
単3電池1本で駆動するBlutooth接続の入力デバイス。上面にはマウスホイールと同じようなホイールが1つにボタンが9個。
前面にはボタンが2つ。
下面にボタンが1つ。合計で1ホイール、12ボタンが実装されている。ホイールは押し込む(あるいは右に倒す)とボタンとしても機能するので正しくは13ボタン。
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Blutooth接続なので、デスクトップPCのようにBlutoothが普通は搭載されていないPCで使うにはBlutoothアダプタの類が必要となる。ノートPCやタブレットPCはBlutooth機能が最初から搭載されているので何も追加せず使うことができる。
TABMATEをLightroomで使う方法
BlutoothでPCに認識させただけだとCLIP STUDIO以外のアプリケーションでは使うことができない。そこで、JoyToKeyというシェアウェアを使って、TABMATEのボタンに対してキーボードのキーを割り当ててあげるのである。
アプリケーションごとに割り当てを変更する機能もあるため、LightroomとPhotoshopで割り当てを変えてあげれば、似た動作でショートカットキーが異なる場合でも同じボタンに同様の機能を割り振ることができる。
僕の割り当ては以下の通り
ホイール:マウスホイールと同じ動き(ブラシサイズの変更)
B:「R」(切り抜きツール)
A:「P」(スポット修整ツール)
C:「M」(段階フィルター、Shift(下面ボタン)を押しながらで円形フィルター)
D:「K」(修正ブラシ)
Q:「Space」(手のひらツール)
十字上:「X」(切り抜きツール実行時に縦と横の切替)
十字右:「I」(情報表示の切り替え)
十字下:「O」(段階フィルター、修整ブラシ使用時に選択したマスクの表示/非表示切替)
Shift(下面ボタン)押しながらで選択したマスクの表示色切替
十字左:「Ctrl」 + 「Z」(Undo)
前上:「Ctrl」 + 「.」(拡大)
前下:「Ctrl」 + 「-」(縮小)
下面:「Shift」
( )内が割り当てた動作の内容になる。僕がLightroomで使いにくいと感じていた部分は、拡大縮小がPhotoshopのように段階的に行えなかった点。それと段階フィルターや修整ブラシを使っている時のマスク表示の部分。キーがキーボードの右側のものを使うので、左手でショートカットキーを押すのが難しかったのである。左手デバイスで使えるようにしたので、拡大縮小をしながら、マスクをする作業がとても楽になった。ストレスを感じなくなったというのが正しいかもしれない。
このキー割り当てはあくまでも僕がLightroomで作業を行うときによく使う機能を割り振ったというだけの話で、参考程度に考えてほしい。自分で頻繁に使う機能を割り振るのが正解。
TABMATEの良い点
- レスポンスが速い
- 日本人の手にあった大きさ
- 入手しやすい価格
- ホイール付き
レスポンスが速い
ソフトでキー割り当てをしているけれど、マウスのホイールを操作したときと違いは感じられないくらいレスポンスが良い。操作した後一瞬遅れて反応するという感じはない。
大きさについて
日本の会社が作って販売しているものなので、日本人の手になじむ大きさをしている。僕は手が小さい方なので海外製の左手デバイスはちょっと大きく感じることが多いので、この大きさはとてもありがたい。
価格について
ひと昔前にボリューム型のデバイスがPhotoshopなどのブラシサイズを変更したりするのに重宝されたことがあるけれど、海外メーカーの製品だったのでそこそこの値段がしていた。それと比較するとかなり入手しやすい価格だと思う。
ホイール付き
ブラシサイズなどの変更にはホイール型のコントロール部分が合うと思う。個人的にこれも大きなメリット。タブレットペンでブラシサイズを変更しようとすると、小さなスライダーをペンでドラッグしないとならないので、思った通りの大きさにできるようになるには慣れが必要だったのである。ホイールだと簡単にブラシサイズを拡大縮小できるのでとても便利。
TABMATEの悪い点
- 別途有償ソフトウェアが必要
TABMATEの製造メーカーが意図しているのとは違う使い方をしているので、悪い点とするのは変かもしれない。600円(税と決済手数料別)のシェアウェアを使う必要がある。
将来的にJoyToKeyが開発を終了したりした場合に使えなくなってしまう可能性がないとは言い切れない。しかし、一般的なジョイスティックなどのデバイスに対してキー割り当てをするのがJoyToKeyで、かなりのユーザーが使用していると思われるので、そうそうなくなるということはないはず。不安とはいっても、ほとんど心配するだけ無駄なレベルだとは思う。
まとめ
今回はLightroomで使うということで紹介したけれど、JoyToKeyはアプリケーション毎にキー割り当てを変更することもできるので、PhotoshopでももちろんTABMATEを使うことができる。ペンタブレットやマウスを使っているとブラシサイズの変更がスムーズにできないと感じたことはないだろうか?TABMATEを使えばホイールをグリグリするだけでサイズ変更ができる。
キーボードショートカットのないソフトはほとんどないと言っていいくらいなので、左手を使ったキーボード操作が苦手な人はこの手の左手デバイスを導入することをオススメしたい。
ショートカットキーを使わずにマウスやタブレットペンで画面内のアイコンやメニューを使って操作していた部分が左手のボタン操作だけで完結できるようになるため、マウスやペンを動かす手前を省くことができる。これが効率化にかなり貢献してくれる。