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三脚を水平に置くのは難しい
三脚を使う理由は何だろう?
もちろん手ブレ防止というのが三脚を使う一番の理由けど、カメラを同じ位置に保って撮影するという役割もある。
例えばHDR合成用に露出ブラケットで撮影するときはカメラの位置が変わってしまってHDR合成時にズレては困るので三脚を使う。タイムラプス撮影するときも同じ構図で撮影しなくてはならないので三脚は必須だ。
同じ位置に保つという役割の中でもカメラを水平に保つという役割も見逃せない。
このBlogでは基本的にRAW現像を前提としているけれど、いくらRAW現像時に水平をきちんと出せるとは言え、撮影段階でしっかりと水平が出ている方がいい。何故かというと、現像時に水平を出すということは、画像を回転させるということで、本来の画素数よりも減ってしまうことになるからだ。
上は左がオリジナル、右が水平出しをした状態。回転させたのはほんの少しだけど、上下左右が少しづつ小さくなっている。
実は他にも撮影時になるべく水平な方がいいという理由がある。それはパノラマや360°写真のような後で合成して1枚の大きな写真にするとき、水平がしっかり出ていると合成が行いやすいのだ。
三脚を水平に設置するのはとても難しいけれど、自由雲台などの雲台で水平にはできる。しかし雲台で水平を出してしまうと、横方向に回転させたときに雲台の根本から回転するため、カメラが傾いてしまう。これを避けるには雲台の根本部分が水平な面に設置されている必要があるのだ。
上の2枚の写真を見てほしい。三脚に直接自由雲台を取り付けて、水平出しをしたもの。2枚目が90°パンさせたもの。パン回転の軸は1枚目に赤いラインで示してある。パンの軸が傾いたままなので、パンさせるとカメラが傾いてしまう。
上の2枚はレベリングベースを使って雲台装着面を水平にしたもの。パンの軸が傾いていないので90°パンさせてもカメラは傾かない。
今回紹介するのはカメラを水平に設置しやすくするための機材で、格安なのに、使い物になるレベリングベースMENGS LP-64だ。
MENGS LP-64 レベリングベースってどんなもの?
三脚と雲台の間に挟む形で設置するもので、雲台を水平な面に設置することができるようになる。パン操作をよく行うビデオ撮影用の三脚などは初めから半球型のレベリングユニットが付いているものも多い。
三脚取り付け部とその上のベース部分には3つのネジがついていて、長さを調整することができる。要するに三脚と同じ仕組み。このネジを回して上のベースを水平にすることができる。三脚の脚の長さを微調整して水平を出すのはかなり難しいけれど、これは手元で完結できるので、三脚で行うよりはかなり簡単に水平が出せるという訳だ。
MENGSはおそらく中国のメーカー。以前360°写真撮影の記事でVRパノラマ雲台を紹介したのもこのメーカー。価格は安いけれど、ちょっと使いこなしにコツが必要という撮影用機材が多い印象。
今回コレを必要としたのは、360°カメラを使って撮影するときに、普通の自由雲台だとパンしたときに結構傾いてしまうから。回転させる度に角度を直していると時間がかかってしまうので、出来るだけ簡単に、かつ、「安く」済ませたいと思って探して見つけたのがLP-64。
MENGS LP-64のいいところ
- とにかく安い、他社の1/3~1/5で買える
- パンしてもカメラの水平は保たれる
とにかく安い、他社の1/3~1/5で買える
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有名どころだとManfrottoやVRパノラマ雲台でかなりのシェアを誇るNodalNinjaだろう。だいたい15,000円程度しちゃうのだけど、MENGSのレベリングベースは4,000円しないのだ。VRパノラマ雲台でも、完璧ではないけれど、使い物にならなかった訳ではないし、金属の加工はまともな印象だったので、コスト優先でLP-64を購入してみた。
なんせ上に載せるのは自由雲台とGoPro Fusionだけなので耐荷重も気にしなくていいはず。
パンしてもカメラの水平は保たれる
これがレベリングベースを使う理由。レベリングベースで水平を出した上に雲台が載っているので、パンさせるための軸は傾いていない。おかげでカメラを真横に回転させることが出来る。
LP-64の悪いところ
- 本体の水準器では水平が出せない
これ、VRパノラマ雲台のPH-720Bでもそうだったのだけど、水準器の取り付けがいい加減で水準器を信じて水平にしたと思っても水平になってないのである。LP-64には円型と筒型合計3つの水準器が搭載されているのにもったいない…。
本体の水準器が使えないので僕はスマホの水準器アプリを使ってスマホを水準器代わりに使いながら水平を出している。中央のネジ穴部分が凹んでいる大型の水準器があればいいのだけど、探しても見つからないので、今のところはスマホで代用といったところ。
まとめ
悪いところで書いたように、水準器が使い物にならないけれど、水平を出せない訳ではなく、LP-64だけでは水平を確認できないというだけなのでちょっと工夫さえすればコストパフォーマンスはバツグンだと思う。
パンする時にカメラが傾いてしまって困っているという人はこういったレベリングベースを使うことも考えてみるといいかと思う。