目次
DJIのドローンを飛ばすには端末が必要
DJIのドローンはDJI製のモニタ一体型プロポを買わない限りはAndroid又はiOSの端末が別途必要になる。
Wi-Fiだけの端末でも使うことはできるけれど、可能ならネットに接続ができるWi-Fi+Cellularの方がいい。DJI GO 4アプリの飛行可能地域データベースの更新はかなり頻繁に行われるので、撮影現場でも更新出来る方がいいからだ。
先日TV番組でPhantomを飛ばそうとしたら、DJI GO 4から一時的に飛行禁止となっている旨の警告が表示されてるシーンがあったので、恒常的なものだけでなく、きちんと一時的なものまでサポートしていると思われる。
ファームウェアの更新はデータ通信量が多くなりがちなのでWi-Fi環境下で行うのが普通だと思うのでこっちは考慮しない。
僕は最近までドローンを飛行させるときは普段電話として使っているAndroidのスマホを使っていて、3月末にAppleがiPad Miniの第5世代(以下5G)を販売開始したので撮影時に使う端末を全てiPad miniに統一してしまった。
なぜiPad mini 5Gを選んだのか
そもそも、僕は基本的にiOSが大嫌いなのである。ユーザーに自由にさせるという思想はiOSにはないと思っている。Appleの提唱した使い方を押し付けるかのようなiOSの作りは自由にカスタマイズしたい僕にとっては合っていないのだ。
あくまでもiOSの思想が嫌いというだけで、Appleが嫌いという訳ではない。むしろ数々の革新的なデバイスを世に出してきた点はとても評価している。iPod nanoは新型が出てストレージが増えたら必ず買っていたくらいだし、64GBで頭打ちになるまではiPodにポータブルヘッドホンアンプをつけて通勤に使っていたくらいいは好き。
それに、iOS端末には、App開発の観点から見ると大きなメリットがある。検証する端末の種類が少ないため、最適化しやすいのだ。音楽関係、映像関係は特にiOS端末が優勢な印象がある。クリエイティブワークではiOS端末、特にiPadはandoridタブレットより数歩先に進んでいるといってもいいだろう。iOSが嫌いとか言っている場合ではないのである。
iOS嫌いの僕がどうしてiPad mini 5Gを選んだのか、4つの理由を挙げておこう。
iPad Proは9.7インチでも大きすぎる
写真の確認などでiPad Proの9.7インチモデルを使っているけれど、ドローンのフライトで使おうとは思わない。なぜなら大きすぎるから。
特に僕の使っているドローン、Mavic 2 Proはプロポがとても小さく、9.7インチの大きさのiPad Proを取り付けるとバランスが非常に悪くなってしまうのである。Phantomやそれ以上クラスのInspireはプロポが大きいので10インチクラスのタブレットを付けてもバランスがギリギリ取れるかもしれないけれど、最適なサイズとは言えないだろう。
500gの板が上にあるというのはかなりトップヘビーでバランスが悪い。一方iPad miniはWi-Fi+Cellularモデルでも300gちょっと。200gの差はかなり大きいと思う。
自動航行App GS ProはiOS版のみ
僕はドローンを購入してすぐに手持ちのiPad Proを試してみて、バランスの悪さから早々に使用を断念してしまった。
そして、当時販売されていたiPad mini 4を買おうかとも考えた。しかしiPad mini 4は2015年のモデルで、ちょっと古すぎる。価格はかなり安いけど、今後どんどん処理が重たくなっていくであろう画像関係のAppを使っていくにはスペック的に不安が残るのだ。iPad mini 4は使いたくない。
しかし、DJIのドローン自動航行AppであるGS ProはiOS版しかリリースされていない。DJIのドローンをフルに活用するにはiOS端末を使う必要がある。
7インチ androidタブレットの代わりにできる
他にもmini 5Gを選んだ理由はある。僕は7インチのandroidタブレットを車のカーナビ代わりに使っている。理由は月額数百円支払えば、毎月地図が更新されるから。
しかし、SONYがタブレット市場から撤退してしまった。仕方なくSHARPのAQUOSを使っていたものの、これまたSHARPも7インチ市場から撤退。とりあえずという形でdocomoのdtabを使っていたけれどストレージの少なさがネックになっていたのである。
そこで登場したのがiPad Mini 5G。カーナビとして使うには地図データをダウンロードしておかないと、LTE通信が都度行われてしまい、忙しい時期は毎週のように地方に行っている僕にとっては通信データ量が馬鹿にできない量になる。
今ナビ用に使っているdtabはストレージ管理がおかしいのか、ダウンロードした地図データが更新時に消去しきれず、2回に1回は完全にアプリを削除して地図を更新しないとストレージが枯渇してしまう状態だったため、まともな7インチクラスのタブレットを探していた。
そこへ7.9インチのmini 5Gの登場である。スペックの高い7インチクラスのタブレットは現在市場にほとんど存在しないので、iOSが嫌いだとか言ってられない。
Mavic 2 Proのプロポに取り付けるには?
Mavic 2 Proのプロポは5インチ程度までのスマホを取り付けることはできるけれど、そのままの状態では大きなタブレットを取り付けることができない。そこで使うのが社外品のタブレットホルダー。僕が使っているのはスマホ取り付け部分に金属製プレートを挟んで、そこから伸びているアームにタブレットマウントを取り付けるタイプのもの。
売り上げランキング: 59,136
これを使うとプロポの液晶は見ることができなくなるけれど、必要な情報はタブレットのモニタに表示されるので問題はない。しいて言えばプロポのスティックを操作している親指を少し動かしてスマホを操作できたのが、タブレットだとできなくなるのが不便という点だろうか。
付属のLightningケーブルだと短く、付属のUSBケーブルを使うと長すぎるのでAmazonで見つけたほどよい長さのLightningケーブルを使っている。
売り上げランキング: 27,715
実際にこれらを使って取り付けた状態が下の写真である。地面に置くにはバランスが悪いので、首からぶら下げることができるようにストラップを使いたいところだ。
PGYTECHのホルダーは2つの部品から成り立っている。タブレットを保持するパーツとプロポからアームを出すためのプレート。プレート部分にアーム格納時のボールジョイント部分がはまる穴が開いている。ここにネックストラップを取り付けている。
ネックストラップは以前購入した使い物にならなかったタブレットホルダーについていたやつ。プロポから手を離したときに、万が一プロポからプレートがすっぽ抜けてもiPad miniは落下しないので被害はプロポだけで済む。iPad miniも一緒に落下して液晶割れとかシャレにならないので、こういったものを使っている。
目視で飛行させるときには画面の大きさはあまり関係ないので、スマホを使うこともあるけれど、自動航行App GS Proを使うとき、目視外飛行を行うときは地図を大きく表示できたり、ドローンのカメラからの映像を大きく見ることができるmini 5Gはスマホよりも使いやすい。
プロポの上部に重量物がある形になるので、バランスは悪い。操縦中にドローンの動きに合わせて腕も動いちゃう癖がある人(ゲームで体も一緒に動いちゃうタイプの人)は使いにくく感じるかもしれない。
ちなみに、短い接続ケーブルを忘れても、iPad付属のLightningケーブルでもプロポと接続することができる。プロポにある普通のUSB端子にLightningケーブルのUSB端子を差し込んでLightning端子をiPadにつなげばOK。
iPad mini 5Gをドローンで使うときに欲しいアクセサリー
これは必須級アイテム サンシェード
iPad mini 5Gの液晶は視認性が高いとは言え、やはり日中の屋外では厳しいこともある。そこで是非使いたいのがサンシェード。というかないとお話にならないレベルだと思う。
PGYTECH スクリーンサンシェード タブレット スマホ日除けフード for Mavic Pro Phantom 4 Pro Inspire M600 Osmo 折り畳み式 L168 7.9インチ
売り上げランキング: 320,459
ドローンアクセサリーでおなじみPGYTECHの製品。DJIのオンラインショップでもここの製品が取り扱われているので、この手のサンシェードのオリジナルがここのではないだろうかと思う。コピーされまくって似たような製品があふれている(笑)
このサンシェードの利点は左右のゴムで端末に取り付けるので端子を邪魔することがない点。また、タブレットホルダーには何も取り付けないので、他でも使える点。車のダッシュボードにタブレットホルダーを取り付けてカーナビ代わりに使っているときに、視認性が悪かったらこれを使うことが出来ちゃうのである。価格はさほどではないので、コストパフォーマンスはいいと思う。
マンフロットのDigital Directorのアクセサリーとして9.7インチiPad用のサンシェードが出ていてDigital Directorと一緒に購入した。ベルクロテープを両面テープでDigital Directorに取り付けてサンシェードをくっつける形になっていて、一見便利そうだけど、両面テープよりもベルクロ部分が強くて両面テープがはがれてしまうという使い物にならないサンシェードだった。上で紹介した左右をゴムで固定するタイプは安定して使えてとても便利。9.7インチ用も今でも愛用している。Digital Directorを屋外で使うときもPGYTECHのやつを使っている。
見た目の品質はマンフロットのヤツの方が上なのだけど、使い勝手は圧倒的にPGYTECH。
反射防止タイプの保護フィルム
画面を保護するためではなく、画面への映り込みを減らして視認性を良くするろいうのが目的。サンシェードがあっても写り込みはあるので、アンチグレアタイプの保護フィルムを使うのがオススメ。
売り上げランキング: 1,739
mini 5GはApple Pencilも使えるので、紙のような書き心地になるという保護フィルムを使っているけれど、特に不満はない。購入してすぐにフィルムを貼ってしまったので、比較はしていないけど、フィルムをつけてないないiPad Proよりは屋外での視認性はよくなっているのは確か。
Apple Pencilを使うと紙に近い感触なのだけど、指で触るとかなりザラザラしている。何も貼っていない普段使いのスマホを触ると、おどろくほどツルツルに感じてしまうくらい違う。
ドローンを飛行させるのは基本的に日中だと思うので光沢タイプの保護シートは買わない方がいい。サンシェードをつけていても画面が見にくいのは変わらない。アンチグレア(反射低減)タイプにしよう。
iPad mini 5Gでできること
主に僕が使っている用途だけど、こんな感じになる。ドローン飛行で使うのは前述しているので除外してその他にこんなこともできるというのを紹介しよう。
GoPro fusionの操作
SONYのスマホ XPERIA XZ1もfusionを操作できるようになったけれど、iOS端末ではだいたいGoProのアクションカムが発売されるとすぐに対応される。GoProは基本的にiOS LOVEなメーカーだと思う。XZ1は今年になってようやく対応というレベル。
360°写真をお手軽バージョンで撮影したり、360°動画を撮影するのにiPad miniは大きさがちょうどいい。XPERIA XZ1で操作できるようになる前はiPad Proを持ち歩いていたのだけど、9.7インチでもカメラバッグに入れて持ち歩くには大きくて邪魔だったのだ。
Lightning to USB3 camera Adapterを使ってカメラから直接画像吸出し
先日メモリカードからiPadに画像を取り込む方法を紹介した。カードリーダーの代わりにカメラとAdapterをUSBケーブルで接続してあげればカメラから直接画像をiPadに取り込むことができる。確認中にカメラを使わないのであればこちらの方がパワーバンクなしで動く可能性が高いので便利。ただしiPadに取り込んでからでないと、拡大表示ができないのはカードリーダーを使った場合と同じ。
iPad mini 5を買う時気を付けること
GPSが必要な場合はWi-Fi+Cellularモデルを買う
インターネットにつなげるのは家のWi-Fiを使うからいいやと思っていても、GPSを必要とするAppを使うつもりならWi-Fi+Cellularモデルにする必要がある。
iPadのWi-FiモデルはGPSが物理的に搭載されていないので、カーナビ代わりにするなんてときは位置情報がまともに取得できなくなるからだ。
DJI GO 4は一度ログインしてしまえば大丈夫だけれどGS Proはかなりの頻度で再ログインを要求される。DJIのサーバに問い合わせにいくのでWi-Fi+Cellularモデルにしておく方がいい。でないとポケットWi-Fiやスマホのテザリングを使ってネットに接続することになる。
Apple製品は出てすぐに買うのがいい
Apple製品は新製品が出ると型落ちが価格を引き下げて販売されることもあるけども、基本的には時間経過とともに値段が下がるということはあまりない。なので価格がこなれるまで待つのはあまり意味がない。
端末の不具合が出尽くすまで待つというのは意味があるかもしれないけれど、普段使いの電話としても使うスマホとは違うので、致命的な不具合が出たら対応されるまで使わなければいいだけの話なので、そこまで気にする必要もないと思う。
Apple製品は発売されたらすぐに買って人に自慢するというのが正しい使い方。
iPad mini 5のダメな点
いい点というのは僕が買う理由のことなので、省略するとして、ダメな点を挙げておこう。
防水じゃない
iPhoneもだいぶ防水にするのが遅かったけれど、iPadはいまだに防水仕様にはなっていない。まぁ側面に大きく穴があいているスピーカー部などから考えると無理もないとは思うけれど…。Mavic 2 Proも雨天は飛ばせないので、ドローン専用という考え方なら防塵・防滴性能は必要ない。僕は他の用途でも使うので、水没はダメとしても、雨で濡れるくらいはOKにしてほしいところ。
日本語入力がダメ
これは昔からiOS端末では言われていることなのでmini 5という訳じゃないけども、日本語変換が使いにくい。慣れの問題もあるとは思うけど、やっぱり苦手。
ちょっと高い
もしかするとRAWデータを読み込んで現像をすることもあるかもしれないということで、ストレージは256GBのWi-Fi+Cellularモデルを購入したのだけど、おおよそ8万円。空撮で使うだけで買うには高すぎる価格だと思う。
この大きさのタブレットで他に使う用途があるのであれば、性能的に他にライバルとなる機種がないのでこれ一択になるかもしれない。
まとめ
ここ数年7インチクラスのタブレット市場は新しい製品がほとんど出ていない。出ていても日本で使える技適を通過したものはスペックが高くないものがほとんど。iOS端末は嫌いだけど、現時点で最強の7インチクラスタブレットはiPad mini 5Gだと思う。
ナビ代わりに使って、到着したら取り外してその他の用途に使う。暇な時は電子書籍や動画などで時間つぶしもできる。10インチクラスのタブレットはボディバッグのような小さなカバンには入れられないけども、iPad mini 5ならボディバッグにだって入れられる。
個人的にはこの大きさのクラスのタブレットはスマホはあまり向かない用途でちょうどいい大きさなことが多いと思う。
DJIのドローンを飛ばす際のモニターとして、スマホよりも大きなものが欲しいと探している人はもちろん、7~8インチの高性能タブレットを探している人にもiPad mini 5Gをオススメしたい。きっと期待は裏切らないはずだ。
熱がこもらない非防水の方が良い。
高温になると発熱セーブが働き画面が暗くなり、冷却を余儀なくされる。
夏場だと最悪真っ暗になる恐れもあり、寒冷地であれば中和され
良いかもしれないが外気変動による内部結露に気を付けたい。